第42回「清水の舞台は子育てバリアフリー」

久保美智代 フリーアナウンサー 世界遺産ウォッチャー
 


 古都に住んで4回目の春が巡ってきました。「桜」と聞くと、いてもたってもいられなくなる私は、今年も18ヵ所の名所を訪れました。でも、今までと違うのは、5ヶ月の息子を連れているということ。時にはベビーカー、時には抱っこ紐で出かけます。

 4月上旬の日曜日、家族で京都・東山に行きました。まるで初詣のような大勢の人波にもまれながら、ベビーカーを押しました。でも、清水寺に続く石畳の道はガタガタしてちっとも落ち着きません。参寧坂の長い石段では、私が息子を抱き、夫がベビーカーを持ちあげて運びました。「坂の多い東山は苦労するなぁ」と実感しました。


 清水寺に到着。目の前には、朱色の仁王門がドデーンと立ち、石段が真ん中を貫いています。思わずため息が出ました。すると、通りがかりのおじさんが、「ベビーカーでも行ける道があるよ」と声をかけてくれたのです。指差した先は迂回ルートで、路面には車椅子マークがありました。清水寺はもう6回目になりますが、初めて気づきました。

道はきれいに舗装され、坂は緩やか。チケット売り場手前には赤ちゃんと一緒に入れる多目的トイレがありました。舞台を通って奥の院までスムーズ。その後、段差は多少あるものの、概ね満足でした。高さ13mの舞台のイメージとは裏腹にバリアフリーが行き届いているとは、さすが世界の観光地です。
 

  出口付近では、有料トイレを見つけました。100円で10分間。中は広く、大きなベッドや服をかけるフックもあり、お湯も出ます。ちょうどオムツ替えの時間で助かりました。後日、ホームページを見ると、「東山観光といれマップ」が掲載されていました。


 誰もが安心して旅を楽しめる環境づくりは、一流観光地のあかし。今後の古都巡りに、
子育てバリアフリーという新たな視点が加わりました。

 

 
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