真夏を前に、日本中が熱くなったワールドカップ・サッカー。日本代表の活躍を祈り、奈良にあるサッカーゆかりの地を訪ねました。

日本サッカー協会のシンボルといえば、ヤタガラス(八咫烏)。日本代表のユニフォームにもプリントされています。ヤタガラスとは、初代の神武天皇が熊野から大和へ入る時に先導役をしたといわれる伝説の鳥で、足が3本あるのが特徴です。
奈良県宇陀市には、その名もずばり八咫烏神社があります。日本戦を翌日に控え、勝利祈願に訪れましたが、小さな田舎の神社に人の気配はなく、蛙の合唱だけが響いていました。境内には比較的新しいユニークな表情のヤタガラス像があります。社殿ではなく、迷わずこちらに手を合わせました。
ふと隣の拝殿を見ると、奈良の地酒「やたがらす」の樽がお供えしてあります。これで祝杯をあげると気持ちいいだろうなぁ、と想像しました。次に訪れた神武天皇を祀る橿原神宮(橿原市)には、ヤタガラスをデザインした青いお守りが売られていました。
その名も「蹴球守」。1000円はちょっと高い気もします……。
最後は「日本サッカーのルーツ」を自任(?)する談山神社(桜井市)。 ここは、645年に中臣鎌足と中大兄皇子が「大化改新」の談合をした場所です。二人が出会ったのは、飛鳥寺で開かれた蹴鞠の会で、皇子が蹴って飛ばした靴を鎌足が拾って差し出したと、『日本書記』に書かれています。それにちなんで、毎年春と秋の2回、蹴鞠祭が行われています。これが日本の歴史に初めて現れる蹴鞠で、海外のサッカー教本の中に、「サッカーの起源」の一つとして紹介されているそうです。境内には、フランス大会で日本協会から贈られたペナントが飾ってありました。
しかし、願いは届かず、日本代表は予選敗退。ヤタガラス様は勝利に導いてくれず、勝利の美酒も飲めずじまい。でも、サッカーのおかげでまた一つ、奈良に詳しくなれました。
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