第28回 「謹賀新年・フロム・キナバル」

久保美智代 フリーアナウンサー 世界遺産ウォッチャー
 

 2006年は初めて元旦を海外で過ごしました。世界で3番目に大きい島、ボルネオ島(マレーシア)にあるキナバル山です。東南アジア最高峰の標高4095m。3776mの富士山よりも高いのです。往復19時間の登山で見た「初日の出リポート」をお届けします。

午前10時35分
 熱帯雨林の中を進んでいきます。湿度が高く少しけむっていますが、熱帯らしい色鮮やかな花々が目を楽しませてくれました。食虫植物、ウツボカズラも発見!
 
午後4時15分
 
  標高3000mを超えると、ジャングルは姿を消し、低木が広がっていました。流れる雲の間から、そそり立つ岩山が姿を現します。
 

午後5時50分
 7時間15分で山小屋に到着。脚はガクガク、背中の荷物の重みで肩はヒリヒリ。
しかし、ほっとするのもつかの間、本当の苦しみは、翌日に控えていました。

午前2時45分
 フリースとジャンパーを着込み、手袋、毛糸の帽子、額にはヘッドライト。真っ暗な山道を再び出発しました。頂上に近づくに従って、木も生えない岩盤は急斜面になり、一本のロープを頼りに登っていきます。足が鉛のように重く、10歩進むと休憩。行けども行けども頂上が見えず、何度あきらめようと思ったか!
 
午6時40分 
  やっと頂上に着きました。歩みが遅く、すでに太陽は昇っていましたが、この場に立てたことがうれしくて、しばらく360度の雲海を眺めていました。

 

 

  キナバル山は2000年、世界遺産に登録されました。登山者の数が制限され、必ず山岳ガイドが付きます。登山者の安全と自然を守り、雇用を生み出しているのです。一方、富士山は、世界遺産ではありません。大量のゴミ、登山者の増加による自然破壊など問題が多いと聞きます。日本の山を守るヒントがキナバル山にはあるのではないでしょうか。

 

 
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