| T「若者自立塾」
今日は「マナーを知らない」「コミニュケーションが出来ない」「問題対処力に欠ける」という
ニート(Not in Education Employment or Training)、ひきこもりといわれる社会適応力に欠ける若者が84万人おり、2004年頃から話題となっている。
これら悩める若者に対し、平成17年9月厚生労働省は「若者自立塾創出事業」をうちだし、3ヶ月の共同生活を通して雇用支援に結びつくプログラムを実施する自立塾を全国25ヶ所でスタートした。
(1) 対象:1年以上仕事をしていない、学校に行っていない18〜34歳までの未婚の男女、仕事につまづいた人、人間関係が苦手な人、学校を途中で辞めた人、長くひきこもり状態になった人々が対象者である。
(2) 目的:3ヶ月の合宿生活を通し、仲間と一緒に生活訓練、労働体験、ボランティア活動などさまざま学習活動を通しながら社会で活躍する力を身につけることを目的とした就労支援活動である。
U「若者自立塾・栃木の実情」
1 3つの団体がそれぞれの長所を活かして活動している
(1)(財)ユースワーカー能力開発協会(堀添 勝身理事長が初代塾長)
主催者で永年若者の育成につとめており、国際社会で活躍する青少年の育成などで貢献している。
(2) NPO NICE (日本国際ワークキャンプ)
若者中心に多数の国際ボランティア活動を実施している。日本青年を含む毎年1,500人を超える各国青年が事業に参加しており、自立塾栃木にも外人ボランティアが参加している。
(3) NPO 空とぶモニヨンゴロ村
林業・農業を中心とした地域活性化の事業やグループホームを運営している。 モニヨンゴロとはキュク語で「ムカデ」。百足竟争の際は弱者に視真をあわせることに由来している。
2自然に恵まれた生活環境
(1) 施設
合宿所はモニヨンゴロ村内の新しい木造住居。有機農業や森林設備がなされており、雑木林に囲まれた自然豊かな場所で、地域の人々との交流もありのびのびと生活がおくられる。
(2) 生活
昼夜逆転していた塾生が規則正しい生活(朝7:00〜消灯21:00)をお互いに協力しながら居場所をつくっていく。細かいルールはなく、自分達でつくりあげる自治体制になっている。食事は当番制でレシピ-にそって仲間と共に慣れぬ作業を行い「おいしい」との声に笑顔が出る。掃除、洗濯はもちろん自分で行っている。
3素晴らしいスタッフが熱心に対応
・榎本塾長、塚本副塾長をはじめ、少数メンバーだが志ある熱心なスタッフが「一人一人の心を育てる」と
いう姿勢で塾生と共同生活をしながら創造性あるプログラムを3ヶ月間実施している。
・卒塾生の中からも2人が優秀なスタッフとして成長し、自分達の体験を塾生に役立つべく活動を展開して おり、うれしい限りである。
・国際ボランティアの外人青年男女(アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、韓国など)が共同生活を通して 異国文化交流が出来、視野を広げることが出来る強力なスタッフで心強い。
・ 少人数のスタッフで入塾者の募集活動、日常生活の運営、卒塾者のフォロー活動、父母との連絡相談、 地元との連絡なども行っている。事務の担当者もおらず、毎日深夜までの仕事に追われながらも笑顔を
絶やさずやって下さっている。
4行政、地元との協力体制
栃木県庁を始め、行政体が広報活動やジョブカフェなどいろいろ支援して下さり、地元市貝町でも町おこしの行事などにボランティアとして参加しており地元との温かい交流が行われている。
5プログラム概要
塾生には高校中退やら大卒までいろいろで、年齢もバラついておりアルバイトやフリーターの経験もあるが人間関係で失敗し、ひきこもりになり人と会うのが恐いという対人恐怖症の塾生もいる。
どんなひとにも 良さがある
良さはそれぞれ みなちがう
良さはたくさん かくれてる
一人一人の心を育て、自身を取り戻すための独自のプログラムを準備している。
農業体験、有機農業、ブルーベリー収穫と加工、しいたけ原木切り出し、まきわり、草刈り、福祉施設での実習、企業見学や各種体験学習、キャリア講習、時別プログラムなどもり沢山あり、外人ボランティアの語学研修もある。
Vカウンセリングの役割
・カウンセリングとは「言語的および非言語的コミニュケーションを通して行動の変容を試みる
人間関係」と言われるが、理論よりカウンセリングの基本的マインドをもって実践してる。
・塾生ひとりひとりの人間性を尊重し肯定的にとらえる事で「傾聴」を中心に「受容」と共感的態度で接している。心の開示を図り、自立をめざすプロセスがあり、カウンセラーは非指示が基本であるが場合によってはアドバイスも併用して進めている。
・親の会では「傾聴」とカウンセリングマインドの重要性を理解し実践することを願い「親が変わらなければ子供が変わらない」と強調している。
・交流分析では就労支援セミナーで講義を受けるので、私は塾生に「ジョハリーの窓」の説明ではオープンマインドの必要性と「自分の位置づけヒント」で、どのような状態にあるのかについて話し合い、今後の方向にどうするかについて支援している。
W悩める若者と親の共通項目
2年間の塾生と親の悩みをまとめると次のようなものである。
1若者の立場
・原因は自分自身でもよくわからない
(@)友人、人間関係
友人がいない いじめがある 他人のことが気になる
(A) 学校
授業がわからない 行こうとすると病気になる 保健室登校
(B)職場
仕事が遅いと怒鳴られる 注意されるとそればかりきになる
・ 心情しき真面目の若者
・ おとなしい 目立たない だまされたことがある
・ 自信がない
・ 叱られてばかり 失敗がある 声が小さい
・ 居場所は自分の部屋
・ 食事も孤食でとる
・ コミニュケーションが苦手
・ 不規則の生活をしている
・ 働きたくても働けない
・ 親の気持ちはわかるが文句ばかりで反発する
・ 目標がない
2親の立場
原因がよくわからない
(@)友人 人間関係
子供に関わってくれる人がいない 引っ込み思案
(A)学校
いじめがあったが対策を十分にとらなかった
(B)職場
すぐに職をかえる 長続きしない
・ 昔は良い子だったが 育て方が間違ったか?
・ 責任は母親と親類などから責められる
・ 生活の不規則を見逃してきた
・ 働かない子供に不満がある
・ 話し合おうとしても話し合いがつかずぶつかってしまう
・ 将来不安で気が重い
3自立塾で学んだこと(例・塾生のまとめ)
| ・人とのつながりの大切さ
人間関係の難しさと大切さ
周りと協調すること
仲間といる安心感
人脈の大切さ
会話の大切さ
・自分を見つめる
話すことで整理された自分の気持ち
人の為に役に立ちたい
自らの使命があるのでは
やりたいものがある
・世界観の広がり
異文化を知った
いろいろの価値観の人がいる
地域交流の楽しさ
ボランティアの人々の熱心さ
・様々な体験
まき割り
しいたけ栽培
農作業
パン焼き
ブルーベリー摘みと加工
ボランティア活動
・仕事にふれて
就職活動を学ぶ
いろいろの見学会(企業、施設など)
物の販売の難しさ |
・思いやりは難しいが大切だ
人の話を真剣にきいてくれる
家族の有難さ
人の助言を素直にきける
人の情に気がついた
ハンデキャップのある人達との接触
・変わった自分
あせらない
平常心を持つ
自分の良さを引き出す
気の持ちよう
・生活習慣の変化
朝早くおきると気持ちがよい
挨拶の大切さ
規則正しい生活を
自由すぎても結構大変
みんなが最低限のルールを守る
共同生活の大切さ
食事・洗濯・掃除をする
・食事のこと
食事当番の緊張
おいしいとほめられる
大人数の食事つくりの大変さ
・自然の良さ
農業の楽しさ
木の美しさ
おいしい空気
寒い、暑い栃木
温泉の利用 |
4 親の会より
(1) 会話の大切さ
気軽に話しかけるようにしている
話し合いをする
声をかけるようにしている
親から明るい挨拶をしている
聴く努力をしている
兄弟や友人と比較しないようにしている
(2)見守る
過去を追及せず今後は肯定的に考える
子供に執着しないように気持ちを切り替える
感情的にならぬようガミガミいわないようにしている
口出しせず子供の言い分を聴く
(3)努力
子供の良さを再発見する
両親で会合に出るようにする
自分を責めず親が安心した生活をする
親の考え生き方を子供に押し付けない
(4)信じる
子供を信じている
生きる力を持っていると信じる
X今後の課題
1明確な目標方針を
戦後の日本は貧困状態でも清貧な心を持ち「民主国家建法」という教育目標で学んできた。物質的豊かさを求め、勤勉に働いた結果、高度成長を成し遂げたのは、優れた知識や技能を身につけた豊富な人材が多数存在したからである。
今日の成熟社会では共通価値観の確立は難しく、主観的「満足」が主体となり、教育方針は定まりにくい。住時の家族、親族、友人、学校、先生、先輩、近所の人々の存在感がうすれ、少子高齢化対策社会で人間形成に欠ける豊かさの中の貧困の若者達である。
若者が痛む社会に対応するには3ヶ月間の熱心なスタッフの懸命な努力だけでは困難である。今後自立塾をどうするか本質的活動について官長あげて討論し、明確な目標方針を作り上げていくことである。
2志をもつ
今日の社会はもっともっとという「足す」の競争時代になっており「足る」ことを忘れている。
政治、経済、社会、教育、医療などの不安の日本をどうするか。「日本再生」という「大志」を持ち、自立塾もこの視点で今後の与生を楽しんで対処していきたいと思っている。
感謝
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