1.花き産業の現状
「花き」とは花の切り花、鉢物、苗のこと。ウルグワイ ラウンド対策の一環として、政府が農家に花への転換を推進し、作付け面積は、一時的には増加したが、採算性が厳しく、また温室用の油の高騰もあり、最近は減少している。菊、バラ、カーネーションで57%を占め、8.5%が輸入もの。生産者単価は一本あたり50−70円と安く、かつ需要の季節変動が大きい(たとえば母の日前の赤いバラ)。市場規模は消費者ベースで1兆2000億円程度。結婚式、葬儀などの業務用が70%を占め、残り30%が家庭用、その半分は仏花、他の半分は記念日の贈り物などである。
大手スーパーなどによる一部の相対取引(中抜き)はあるが、国産、輸入とも大半は中央、地方の卸市場でセリにかけられ、それを仲卸が買い付け、小売店に卸す。生産農家の大半はJA(農協)を通して市場に出荷している。
市場の中心は東京、切り花は月、水、金、鉢物は火、木、土と週3日開かれる。花の種類が約100点と多く、商品管理が大変で、かつ季節変動があるため、政府の認可を受けて市場を運営している日本最大の大田花き(株)(ジャスダック上場)でさえ、年間売り上げ280億円の規模である。生産農家から小売店までのリード タイムは3−6日。その後消費者が購入することになるので、鮮度がキイの切り花ではリード タイムは長いという問題がある。
一般に、結婚式用などは新鮮なものが使われる。生産者ベースで約4,400億の規模であるが、卸売市場、仲卸がそれぞれ約10%の手数料をとり、それに小売店のマージンが乗るので、消費者の手に渡る時点では生産者価格の3倍近くになっている。ネット利用は、BtoBでは中卸と小売間、BtoCでは、たとえば楽天にはすでに250店出店している。また小売間のネットとして、N−Floraがあり、日比谷花壇が企業、個人のホーム ページとリンクをはり、それを通した売上げに5%の手数料を払っている。
ネット販売は、主として若い人々の間で利用されているが、すでにオーバー ショップの状況にあると判断される。
2.フラワーズ リンク株式会社
そこで「日々の生活の中に花を」テーマに、商品はバラの切花に限定、首都圏の高年齢層(50代以上)をターゲットに、首記のネット販売会社を、3月に設立した。
産地直送、低価格、春秋それぞれ3回の頒布会、それにバラの株のオーナー制度が特色。北上市の生産農家と契約。消費者に直送するため、キメ細かい対応のできる農家にお願いしている。頒布会の会員は、SNS(Social Network Service、人と人のつながりを促進、サポートするネット上のサービス。後述のブログと比較して会員は限定される)コミュニティのメンバーなる。
今回、10年前にソフト ハウスを設立した時と比較して、この種の会社の創業が、手軽かつ短期間でできるようなったのには、時代の流れ強く感じた。特に、技術関連の準備期間がきわめて短く、廉価なサーバーをレンタル、構築、運営を委託することができ、ドメインの取得も簡単。旧態然として変わっていないのが、銀行の口座開設など長くかかる。 ということで、3月14日からSNSサービスを開始した。個人は対象としているので、バラの飾り方を教えてほしいなどの細かい要望が数多くあるが、反応は上々である。ネットを通しての一回限りの売買でなく、バラ愛好家のSNSコミュニティ作りが目的。事業としてペイすることは当面考えていない。
3.Web2.0とその後
Web2.0とは、単一の技術を指すのでなく、多くの人が感じている最近のインターネットの進化を概念化し、言葉で表現したもの(ティム オライリー氏などによる)。その始まりがブログ(個人やグループで運営される日記的なウエブ サイト。Web Logを省略したもの)で、現在のSNSに至っている。登録者は現在日本で、いずれも約1、000万人(重複あり)。ブログは頭打ち傾向にあるが、SNSは2011年には5、000万になると予想されている。
代表的なSNSサービス提供者としては、
Mixi(ミクシイ、マザーズ上場) 20−30歳代。オープン、個人主体。
Group Tube 100人まで月10、000円、クローズ、組織主体。
がある。
その特徴は、1)参加者(ユーザー、利用者)が情報を発信できるインフラを提供。
2)少数意見(たとえば一般消費者の声)を大集合できる。3)2次元の世界。
などである。
企業側も、発信のみの従来のホーム ページから一歩進み、参加者にインフラを利用して商品、サービスを紹介してもらう、あるいは販売してもらい、手数料を払う(サービス提供者になってもらう)などマーケテイングに活用して始めている。すなわち企業、サービス提供者、利用者の3者Win−Win−Winの関係ができつつある。
欧米ではでは、さらにネット上で3次元空間、リアル タイムで実生活に近い活動のできる仕組みをサービスとして提供する「セカンド ライフ」が急成長している。アメリカのリンデン社(Linden Lab,http://www.lindenlab.com/)が運営している。
セカンド ライフの住民になれば、土地を買い、家や店舗を建て、趣味の世界を楽しむことも、商品、サービスを提供するビジネスを,仮想空間上で展開することもできる。
オンライン ゲーム ソフトでは、参加者はそのソフト上のルールに従いプレイするが、セカンド ライフでは提供されるツールを利用して各人好きなことができるわけである。
すでに、住民は650万人(5月19日現在)、日本人でもすでに住民になっている人もいるが、セカンド ライフ内のコミュニケーションは、まだ英語の世界。日本語版は今年中に提供される予定。
興味のある方は、「セカンド ライフ日本語版の歩き方(Second Life)」(www.sec-life.com)などにアクセスすれば,概要がきわめて分かりやすく説明されている。
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