「第25回骨の健康づくりセミナーin札幌」開催される
 
 7月18日(金)、北海道医療大学との共催の「第25回骨の健康づくりセミナー in 札幌」が、昨年同様、北海道立道民活動センター(かでる2.7)の「かでるホール」にて開催された。当初、天気予報では、雨も予想されたが、夏らしい日差しの中、300名近い参加者にお集まり頂いた(セミナー中にバケツをひっくり返したような通り雨がありましたが、その雨も骨密度測定会終了頃にはやみました)。札幌における当セミナーは、今年で6回を数えるが、継続的に参加頂いている方も多数おられ、当セミナー、骨の健康への関心の高さが伺われた。

北海道医療大学の田隈先生のご挨拶に続き、大妻女子大学家政学部食物学科 青江誠一郎先生による「骨の健康づくりに役立つ食品成分」のご講演があった。

 骨の代謝、骨の一生といった基礎的な話に始まり、骨折の関するお話では、小学生や中学生の骨折が増えているということで、具体的に骨折発生率が20年間で約1.8倍に増加しているという調査結果や、小学1年生では骨折率5.6%が,中学3年生で32.7%とのアンケート調査結果などが紹介された。
そして今回のメインテーマである骨の健康づくりに役立つ食品成分としては、まずは誰もがよく知っているカルシウムについて、以下の話しが紹介された。

カルシウムは体重の1.5〜2%(約1kg)を占め,そのうち99%が骨に含まれている。

カルシウム摂取の目標量は600mg/日となっているが30〜69歳の平均カルシウム摂取量522mg/日(男性),533mg/日(女性)で目標量に達していない。その原因として,日本人はほかの先進国に比べ,牛乳・乳製品の摂取量が極端に少ないことがあげられる。料理のなかに牛乳・乳製品を取り入れることが推奨される。
カルシウム吸収率としては、よく知られるものに、牛乳で53%,小魚で38%,野菜で18%という報告があるが、最近の報告でも、牛乳39.8%,小魚32.9%,野菜19.2%とのデータが示され、やはり牛乳がカルシウムの吸収率に優れていることが明らかになっている。

  その他の骨の健康づくりに役立つ成分としては、カルシウムの吸収を促進する成分として、ビタミンDとカゼインの消化物であるカゼインホスホペプチド、オリゴ糖が、また骨の代謝に影響する成分として、コラーゲン合成に必要なビタミンC、骨形成を促進する成分で、納豆に多く含まれるビタミンK、大豆食品に多く含まれ、弱い女性ホルモン様作用があり、骨の破壊(骨吸収)を抑える働きのあるイソフラボン、骨形成と骨吸収の両者に働く牛乳中のタンパク質「MBP」が紹介された。

さらに、小・中・高校生時にダイエットをはじめた者は,20歳ごろに低骨密度を示す者が多く現れ、またダイエットを繰り返す者にも低骨密度者が多く認められたという報告が紹介され、思春期における食事制限(ダイエット)の危険性が示されるとともに、定期的・継続的な運動の習慣をつけることは、骨粗鬆症のみならず、その他の生活習慣病の予防・改善に極めて重要との話があった。

 講演後の質疑応答では、「コーヒーが大好きでよく飲んでいるのですが、飲み過ぎは骨によくないのでしょうか」といった普段の食生活に関する身近な質問から「骨の健康に大豆がよいとのことですが遺伝子組替の大豆についてはどうでしょうか」といった最近の食の安全に対する意識の高さを反映した質問まで多岐にわたる質問があった。

前者に対しては「コーヒーの成分にはカルシウム吸収に影響するものがあり、がぶのみは勧められませんが、毎食後や休憩時にコーヒーを楽しまれる程度であれば問題ないですし、牛乳でわってカフェオレにして飲むのもいいですよ」、また後者に対しては「遺伝子組替についての安全性についてはまだまだ議論がされておりますし、安全かどうかは個人レベルでもそれぞれ考え方が異なります。表示を見て選択されればよいかと思います。イソフラボンの含量に差があるといったことはありません」とそれぞれ回答があった。

 その他、開演前や骨密度測定会を待っている間には、貴重な科学映像のフィルム作品をデジタル化して後世に残そうという趣旨で設立された「科学映像館」の作品等が流され、飽きさせない工夫に参加者からは好評であった。 また、最後には骨の健康づくり委員会の世話人である久米川正好先生から「毎年、北海道医療大学と共催で開催してきたセミナーも6回を数え、今回を最後と考えています。」との話があり、最後まで残った会場の方々から惜しまれる声が聞かれる中、盛大な拍手のもと、セミナーは成功裡に終了した。最後に石井幸子氏から、今回も素晴らしい花が贈られ、1段と華やかな会場を演出してくれたことに深謝。また骨密度測定会にはアロカ株式会社 札幌支店のご協力に深謝する。



以上
文責:雪印乳業株式会社 小林敏也
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