第3回 『 Health Insurance in the U.S.A.』
 
 
 前回のレポートで食事と運動が健康づくりに大切であること。そしてこれらに対するアメリカの最近の話題を取り上げてきました。しかし、食事とか運動を行い健康に十分気をつけていても、時には病気に罹ることがあります。単なる風邪のこともありますが、時にはもっと重い病気にかかることもあります。罹った病気が重ければ重いほど、医者とか病院の医療費も高くなります。その支払額が高いため、医療保険が私どもにとっても大切となってくるわけです。

 アメリカでは、従業員と雇用主が日本と異なり、医療保険会社に保険料を分担して支払います。その際、従業員は分担金を直接保険会社に直接支払うのではなく、企業によってその分担金は給料から差し引かれる仕組みになっています(ちょうど州とか国の税金のように)。では従業員によって払われる保険金はどの程度でしょうか?保険のタイプによって当然異なります。最も多いものは80/20のタイプ。これは保険会社が病院などからの請求額の80%を支払い、残りの20%を個人が支払います。他には、90/10とか100%保険会社によって支払われるタイプもあります。当然、その際、個人が支払うべき保険料は高くなります。しかし日本の健康保険とは異なり、アメリカの医療保険でカバーされる治療費は極めて限定され、すべての治療費をカバーされていませんから。

 では、皆さん、平均的なアメリカ人がどれくらいの保険料を払っていると思われますか?
2005年9月のUSA TODAYによると、一家族の年間保険料は平均約120万円。このうち企業が74%を支払い、従業員は残りの26%を支払うとのことです。2005年、市民が支払った額は平均約32万円(この額は5年前よりも約13万円高くなっているとのこと。)ちなみに2005年、アメリカにおける一般的家庭の平均年収はで546万円です。個人が支払う保険料は年収の約6%となります。

 アメリカでは65歳になると、メディケカルケアといわれている国の健康保険が受けられます。このプログラムでは、通常政府が治療費の80%を支払い、個人が残りの20%を支払います。現在、個人が支払っている金額は平均すると、年間約12万円。しかしこの保険料は年寄りにとっては決して少ない額ではありません。メディカルケアでカバーできない医療費を支払うため、他の医療保険料を支払っているからです。

 数年前、アメリカ政府はHASといわれる新たなプログラムをスタートさせました。私は自営業のため、夫婦でこのプログラムに魅力を感じ、加入しました。私のケースでは、毎月約12万円支払いますが、その半額を医療保険会社はHASに委託します。他の半額は、医療保険料となります。この額以上の医療費は保険会社が100%支払ってくれます。このプログラムの利点は、われわれがこのプログラムで支払うお金はすべて減免の対象になることです。2年後、私たちは65歳になるのでメディカルケアを受けることが出来るので、このプログラムからは除外されます。

 ではアメリカ人が家計で最も関心を持っているのは何だと思われますか?たぶん殆とんどのアメリカ人が頭を痛めているのは診療費だと思います。その理由はいろいろあると思いますが、医療過誤に対する弁護士料への対応だと思います。アメリカでは交通事故を察知した弁護士は、救急車を追って病院までカーチェイスの如く駆けつけます。このケースでは、もちろん被害者のためであり、病院とか医者がターゲットではありません。このようにアメリカでは弁護士がいろんな面においてかかわっています。もちろん医者さんは医療過誤対策に高額の保険をかけています。以前からこの問題がいかに深刻であるかを耳にしたことがよくあります。その1例として多くの産婦人科医は、告訴の厳しい州から逃れるため他の州へ移り、また妊婦も医者を追って遠くまで通うと想像を絶するような話を耳にすることがあります。

 家内と一緒に私は日本に住んでいましたが、日本では弁護士の数が異常に少ないことを聞いてびっくりした。これは日本人が法廷などで争うことをよしとしない長年の慣習を持ってきたからでしょう。しかしアメリカでは多民族社会で公平さを保つため、裁判で物事を決める告訴社会であります。そのため弁護士が大変多く、彼らは国民を守るため毎日働いているのだと思います。今後、日本でも次第に告訴社会となり、想定外に治療費を支払うことが起こるようになるのかも知れません。事実、日本の医療機関も医療過誤への準備をすすめ、また弁護士の数を増やそうとの動きがありますから。



Dr.Larry Frye( ラリー フライ )

 彼は細胞生物学者として米国の大学で研究生活を送った後、教会 関係の仕事で来日、数年間滞在。その間、日本の私立歯科大学で学生の英語教育、研究者の論文制作等の指導を行う。その後、2,3の英文学術誌の校正に携わる。
帰国後も日本人研究者及び学術誌の校正を行い、我々の研究活動を大いに支援してくれた。

 また彼は日本人及び韓国人の子供を養育、2人は立派に成人、米国で活躍中。最近オハイオの実家を改造、日本式の風呂まで備えたいわゆる日本人の為の民宿を始めた。ここを拠点に語学研修などに活用してほしいと新たな活動を展開。その詳細はNonbiri Ohaioから。とにかく日本が大好きなアメリカ人の1人。

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