我が減量奮闘記            小椋 正之
 

おぐら まさゆき

平成 6年 3月 長崎大学歯学部卒業
平成 7年 3月 国立公衆衛生院専門課程卒業
平成10年3月 岡山大学大学院歯学研究科卒業
平成10年4月 厚生省入省
平成11年4月 富山県厚生部健康課
平成13年4月 厚生労働省医政局医事課
現在に至る

 

 私のような不健康な生活をしている人間がこのコラムに書く資格があるのかどうかわかりません。また、国の施策のような大きなことを言える身分でもありませんので、自分の経験について綴ってみたいと思います。

 大学を卒業してから不規則な生活、運動不足、飲み過ぎ、食べ過ぎおまけにタバコも吸い過ぎと絵に描いたような不健康な生活が続き、あっという間に体重が増加しました。ウエストも日増しに大きく、太くなって、季節ごとに新しいスーツを買い換える羽目になり、ウエストだけでなく衣料費も大幅に増大しました。大学時代と比較して、最大でウエストは約15cm、体重は約20kg増加しました。その当時は食事のたびに体中から汗が噴き出しハンカチで顔を拭い、お腹が苦しくなってズボンのベルトをゆるめるという日々が続きました。体重の増加に心臓がついてゆけず、健康診断のたびに血圧がひっかかるようになって、みごと(?)生活習慣病予備軍入りも果たしました。「どうにかしなきゃ!」と心の片隅でいつも思っていたものの「まあ、このままでもどうにかなるよ!」という悪魔のささやきに負け、欺瞞だと感じつつも健康とはほど遠い生活が7〜8年続きました。

 肥満、これは運動不足によるカロリー消費不足、そして飲み過ぎや食べ過ぎによる過剰なカロリー摂取という自堕落な生活の賜であり、この20kgの体重増加は脂肪量が増加した結果です。20kgという量を500mlのペットボトルに換算するとなんと40本分にもなります。この量の脂肪がウエスト、いや体全体についている事実に気付いてしまいました。これはもう目を背けて無視することはできない量です。自分をだまし続けることにも限界があります。また、このままでは高血圧症など生活習慣病の予備軍だけでなく一軍入りも濃厚になりそうです。ついに、文字通り重い腰を上げて、ダイエットを行うことを決意しました。

 どうしようかと考えた結果、まず運動不足を解消するためにスポーツジムへ入会することにしました。それに伴い、日々の生活パターンについても見直しました。仕事柄、生活が不規則なのは仕方ありません。ただ、@運動不足によるカロリー消費不足を解消するため週に数回ジムに通って有酸素運動を行う、A飲み過ぎや食べ過ぎによる過剰なカロリー摂取を減少するため夜中には何も食べない。ただし、体力の低下を防ぐため朝昼晩の食事はしっかり摂る、Bモチベーションを維持するため体重をグラフに毎日記入する、という3つを実行することにしました。

 ジムで運動した初日、長期間ほとんど運動をしていなかった人間に対して急に過大な負荷をかけると頭がボーッとなって、膝がカクカクと笑うようになるということを体験しました。これらの症状(?)は運動に行く回数を重ねるにつれ消退しました。また、夜中にどうしてもお腹がすいた時には、ところてんを食べて空腹を紛らわしました。これは季節が初夏だったのも幸いしたようです。そして、日々の体重をグラフへ記入してみると日に日に体重が減少するので、苦しいはずのダイエットがだんだんと面白いものへと変化していきました。結局、ダイエットを開始してから2〜3か月で15kg近く体重は減少し、今までの運動不足と夜中の過剰なカロリー摂取などの不健康な生活を痛感しました。体重が減少したら血圧も正常範囲にもどり、生活習慣病予備軍からも少し遠ざかったような気がします。

 ジムに通い始めて1年くらいはエアロバイクを中心としたマシン運動ばかりしていました。マシン運動をしようとすると運動着、運動靴などかなりの量の荷物が必要になります。朝から重い荷物を持って出勤しても、仕事が早く終わらず、ジムに行けない日も少なくありませんでした。行けるかどうかもわからないのに、重い荷物を毎日持ち歩くのは少々骨です。そんなことを考えていたある日、スイミングは違うことを発見しました。スイミングは水着、スイムキャップ、ゴーグルの三種の神器を持っていくだけでいいのです。これは片手にスッポリと収まる量でかさばらず、かつ軽量なのです。私は幼少の頃から水泳が苦手だったので、ジムのプールに行くことをずっと躊躇していましたが、プールを実際に見学してみると泳いでいる人ばかりでなく、水中ウォーキングを行っている人が目に飛び込んできました。そこで、マシン運動だけでなく水中ウォーキングをはじめることにしました。私がプールの中でウロウロ、ノロノロと行ったり来たりする水中ウォーキングを開始した時期はアテネオリンピックの時期とほぼ一致していました。このオリンピックで日本が大活躍した勢いで私も水中ウォーキングからスイミングへ挑戦してみることにしました。最初、25m泳ぐことのできなかった私もだんだんと泳げるようになり、今ではなんとか100mくらいは泳げるようになりました。でも、独学のためスイミングフォームなんかは滅茶苦茶だと思われます。最近ではジムに行くと25m泳いで、25m歩くのをだいたい10〜20クール繰り返し行うようにしています。三種の神器をいつも鞄に入れて持ち歩き、仕事が早く終わった日や休日など、この運動をだいたい週に数回行うことで健康維持、ストレス発散を心がけるようにしています。もちろん体重維持もしっかりと行い、ダイエット直後とほぼ同じ体重を2年ほど保ち続けることに成功しています。

 かなづちだった人間がちょっと泳げるようになったことで海にも関心が向くようになり、昨年は小型船舶一級の免許を取得しました。今年の夏はマリンスポーツにチャレンジしようと目論んでいます。ただし、相変わらず生活は不規則で、タバコに関しても禁煙しようかどうかとまだまだ迷っている最中です。