私は満1歳の時、激しい腸炎を患い、1週間もの長時間意識を失った。主治医はとても助からないと告げたが、母の不眠不休の介護のお陰で命を取りとめた。しかし、それから30数年間にわたり慢性の腸炎が続いた。
この症状は、親友の医師、松枝先生の鋭い診断で、先の激症腸炎がアミーバー赤痢だったことが分かり、特効薬による治療で全快したが、成長期から壮年期にわたる長期間の慢性腸炎は、体力に大きなダメージを与えたに相違ない。
それでも、年に2〜3回風邪を引く程度で大過なく過ごしていたが、50歳を越した頃から食欲が無くなり、常時軽い頭痛が生じるようになった。その上、夕方になると蕁麻疹が生じ、一晩寝て起きるとそれが消えるという奇妙な症状が続いた。数箇所の大病院での精密検査によっても、何の異常も発見されず、自分で体質改善のため良い健康法を工夫する以外には方法がないと自覚するに至った。
先ず朝食が8時頃と遅いのが悪いのだと気付き、朝食のかわりに粉ミルクにビフィズス菌、大麦若葉の粉、プロテイン等を混ぜて水で溶いたものを一杯飲むだけにした。これは、正解であった。5年以上も続いた食欲不振、頭重感、蕁麻疹はいつの間にか消えた。
これに気を良くして、イリコ(じゃこ)を炒ったものを毎日手の平いっぱい食べ、週に1〜2回、毎日10分間位上半身裸で太陽光に当たるという方法(自称:イリコと太陽)を励行することにしたところ、たちまち全く風邪を引かなくなり、病知らずの毎日が20年近く続いている。
こうした成果の理論的理解のために、藤田拓男神戸大学名誉教授の名著『カルシウムの驚異』(講談社のブルーバックス)を精読し多くのことを学ばせていただいた。
その後、こうした体験と本から学んだ知見を多くの人々に伝えることに努力してきた。その一例を述べると、生まれつき血中の好中球がゼロに近く、先天性好中球減少症と診断され、長年にわたり病になりやすく苦しんでいた10歳の男の子の病弱体質を「イリコと太陽」健康法でわずか1ヶ月で治すことに成功した。その後の研究で、カルシウム摂取不足によって生じた胃酸分泌の不足で、腸内の悪玉菌(ブドウ球菌)が繁殖し、これが好中球を毒素で全滅させていたのが原因だったのだという結果に達した。先天性ではなかったのである。多くの人々の長年の持病には、このように生活習慣が根深く絡んでいるようである。
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