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| このコーナーは各界でご活躍の方々にお願いしております。 |
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(五十音順) |
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| その1 | 私の仲間は定期券 〜足立 卓三〜 |
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「ついに来た、俺も週休七日制」という川柳を新聞で読んだ。 |
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あだち たくぞう 国立大学36年私立大学13年、49年に渡り、教育行政に携わった者です。 |
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| その2 | 体の健康、心の健康と口の健康
一口の大切さを認識・理解しよう一 〜河村 洋二郎〜 |
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はじめに ヒトや動物の生理的機能には生体リズム(バイオ・リズム)がある。この生体リズムと、そのヒトの生活リズムとの間に大きな違いや混乱のないことが健康維持には大切である。 また、健康を保つためには十分な睡眠と休養、適度の運動、さらに適正に食生活すること(栄養摂取)が必要なことは広く知られている。この3条件の中で、栄養摂取には食べるものや、飲むものが必要である。この点が睡眠と休養および運動と大きく違っている。しかも、飲食の問題は、食べるもの飲むものの味や量、成分だけでなく、体調や食べる意欲(食欲)が大切である。従つて、食べる意欲をそこなわない食環境についても十分に考慮することが必要である。 1.口の働きについて ヒトが健康に生きるため口は多くの大切な生理的役目をはたしている(表1)。 しかも、腕や脚はその運勤も感覚も脊髄支配下にあるのに対して、口はその運動も感覚も三叉神経や顔面神経など脳神経の支配下にあって、脳と密接な関係にある。 さらに、食べる一しゃべる、噛む一吸う、あくび一噛みしめ、吐き出し一飲み込み、と言った色々の動作の中には、その目的が全く逆なものもあるし、異質なものもけっして少なくない。これら動作の大部分は意識的に行なうことができるだけでなく、反射的に生じるものでもある。 また新生児は手足はまだ十分に働かないし、目も十分には見えない。しかし、生きていくのに欠かすことの出来ない乳を吸う口の働きは新生児でも十分に発育している。 口の動かせ方には個性があって個人識別に役立つだけでなく、口を見ればそのヒトの機嫌が容易にわかる。このように、口は人々相互のコミュニケーションにも、健康に社会生活をおぐるためにも極めて大切な働きをはたしている。 故に、歯だけでなく口唇、舌、頬、咽頭部など口のすべての部分の健康と調和した機能を常に考えて大切にしなければならない。 2.「かむ」ことにっいて 日本語で「かむ」と言えば噛む(bite)咬む(c1enching),咀嚼(chewing、mastication)など色々の用語が頭に浮かぶ。これら以外にも噛みつく(snap),食物の捕捉(prehension),咬断(incision),粉砕(crushing),臼磨(grinding)などのかむ現象に気が付く。さらに、「かむ」ことに大変似た動作の歯ぎしり(bruxism),や咬痙(tetanus)などもあって、それぞれで口の働き方が異なっている。 さらに、動物種族によって口の形や歯の数や形も違っており「かむ」ことについての動物実験結果をそのまま、ヒトに適用することは慎重でなければならない。 3. 咀嚼について 咀嚼(chewing,mastication)とは食べ物を口にいれてから口腔・咽頭部で行なわれるすべての生理的経過のことである。口の中に食べ物のない状況で下顎や舌を動かせている動作は咀嚼ではない。顎の自由運動(free movemnents of the mandible)と言う。ヒトにとって食物咀嚼は生理的に、また心理的に重要な意昧がある。(表2)。 4. 味わうことについて 口の感覚は食べ物をえらび、あるいは危険なものが体内に人らないよう防禦している。また、たべものの好き嫌いを決めるのにも関係しており、好ましい味の情報は食欲を増進させ生き甲斐を感じさせる。味刺激は唾液分泌を生じさせるだけでなく、胃液分泌を促進させるし、甘い味は膵臓からインシュリンを分泌させて糖の代謝にも関与している。 5. しゃべることについて 人々の相互理解のたためコミュニケーションが大切であり、そのため会話や表情が大きな役割をはたしている。これらも口の機能にたよっている。歌をうたうにも、会話にも顎の動きや、口唇、舌、頬などの巧妙な動きや、相互強調が必要なことは言うまでもない。 おわりに 最後に、医療従事者は患者に口の機能の大切さを分かり易く説明すると共に、患者の状態をよく観察して現況を判断し、どのように治療するのがよいかを決断して処置を実施すると共に、その結果を検討して今後の診断に役立たせるべきである。 |
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かわむら ようじろう 大正10年生まれ。大阪大学医学部卒。医学博士。米国UCLA大学医学部客員教授を経て、大阪大学歯学部長。退官後甲子園大学長。大阪大学名誉教授。勲2等瑞宝章受章、スエーデン王室よりノーザンスター勲章受章など数々の受章をうける。また、WHO口腔保健専門委員、厚生省歯科医師国家試験部会長など、日本の医学歯学界で活躍した。 |
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| その3 | 職業病?〜木口 雅史〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 私は,これまで20年余りの間,新しい測定原理や計測方法を考え出して,それまで測れなかった物の性質を調べるという研究をしてきた。そのせいか,根拠が定量的に示されない話は信じられないという変わり者になってしまった。 例えば賞味期限。おいしく食べられる期限ということのように思えるが,もとからまずい物はどのように決めるのだろう?気になるから調べてみた。JAS法によると,「容器包装の開かれていない製品が表示された保存方法に従って保存された場合に、その製品として期待されるすべての品質特性を十分に保持しうると認められる期限」だそうである。まずくても構わないらしい。期限の設定法についても定められているので,おそらく根拠となる様々なデータがあるに違いないが,未だお目にかかったことがない。だから賞味期限なんて当てにしていない。 世の中に氾濫する健康に関する情報についても然り。「赤ワインは心臓病予防に効果がある」などと聞いても,ブームに乗ってあげない。赤ワインの消費量が多いフランスでは心臓病の死亡率が少ないからだそうであるが,それって単に,先に肝臓病で死んじゃってるからじゃないの?なかなかひねくれ者なのだ。実はポリフェノールに関する研究が沢山あって,学会で認められた有力な根拠があるのかもしれない。でも,研究データなんて統計的結果だから,人によるばらつきが大きいに違いない。私自身にどれだけ効果があるのかは甚だ疑問である。 賞味期限や赤ワインブームに限らない。巷の情報の多くは,根拠や限界は示されず結論だけが分りやすいキーワードとなって一人歩きしている。そんな中,インターネットの普及により,調べる努力さえ惜しまなければ詳細で有益な情報にアクセスできるようになってきたのは喜ばしい。私?努力を惜しんで,スーパーの牛乳を奥から取り,晩酌に赤ワインを楽しむ日々を送っている。信じてないけれど…。 |
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きぐち まさし 1959年生まれ。(株)日立製作所 基礎研究所勤務。理学博士。 専門分野は、時間分解分光,非線形光学,脳機能計測等のレーザ計測。 幼少より声楽を始め声楽家を志すも親の意向により、研究の道を歩む、とともに音楽の道今だ忘れられずセミプロの域を超えた活躍をしている。 料理は主に仏料理、及びワインにも造詣が深い。人生を研究と共に楽しんでいる。 |
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| その4 | 「軟骨ってなぁーに?」 〜草深公秀〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| よく、「軟骨」と言う言葉を聞かれる人も多いと思いますが、これは、骨とは似
て非なる組織です。 骨は、ヒトでは、全身の骨格を強固に維持している組織で、その 主成分はI型コラーゲンとリン酸カルシュウムから成ります。 一方、軟骨は、お腹の中で胎児が発育する際、骨になる予定の場所に鋳型として作られ、生まれる頃には、 軟骨は、一部を残して、骨に置き換わっていきます。そして、軟骨の主成分は、II型 コラーゲンとプロテオグリカンと言う物質から成っており、骨のそれとは全然別のも のです。 関節や、背骨の椎間板、耳、鼻の一部、喉頭、気管などは、生後も、軟骨が 残ります。生まれてからの関節や椎間板では、軟骨はクッションの役割をしていま す。ですから、その軟骨が、年をとって、薄くなったり、あるいは一部が完全に無く なったりすると、直接、骨と骨同士が、関節で擦り合わされる為、つらい痛みを生じま す。これが、膝や大腿骨の関節に起こった場合を「変形性関節症」と言います。骨には、神経も血管もあるので、このような症状を起こします。 一方、軟骨には、神経 や血管はありません。ですから、軟骨同士は、こすれても、痛くありませんし、また 出血することもありません。変形性関節症の場合には、神経が存在する骨が、関節に 露出する為、つらい痛みを伴います。最近は、再生医学が盛んですが、このような変 形性関節症の患者さんの治療として、わざと、関節軟骨の一部に穴を開け、骨髄を露 出させ、FGF-2と言う物質を注入しておきます。そうすると、FGF-2によって、骨髄の 中の細胞が活性化され、穴を開けた部分に集まり、すり減っていた軟骨を再生してく れます。この治療法はまだ、確立したわけではありませんが、将来は変形性関節症に 適応されるものと期待されています。 話しはちょっと変わります。軟骨は、生まれてくる時には、ほとんどが骨に置き 換わりますが、耳や喉頭 、気管の軟骨は、大人になっても、軟骨のまま残ります。 これをまとめて「永久軟骨」と分類しますが、私たちの研究グループは、年をとる と、気管軟骨の一部分が骨に置き換わっていくとの発表をしました。何故、永久軟骨で ある気管軟骨が、老人では骨に置き換わるのかはまだ解明されていませんが、大体6 0歳代で、半数のヒトの気管軟骨において、多かれ少なかれ、骨ができます。これで 何か不都合があるかと言われると、「特に無い」としか答えようがないのですが、少 なくとも、老化現象は、永久軟骨にも起こっていると言えるでしょう。 骨がヒトの体重を直接支えている支柱であるとするならば、軟骨は、その体重の 変化に対応するクッションであると言えます。ですから、皆さん、今後は、骨だけで はなく、軟骨の健康にも、目を向けてみましょう。 |
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くさふか きみひで 1988年東京医科歯科大学歯学部卒業、歯学研究科大学院(口腔病理学)、日本赤十字社医療センター病理部に病理医として採用、現在に至る。
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| その5 | 歯の危機管理 〜杉山 徹宗〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 人体のあらゆる器官は、各種臓器を始め目や耳、鼻、手足、腰など、幼少時代から日常使ってはいても、これらの部位に疲労が貯まって故障が生じてくるのは、たいてい中年を過ぎてからの場合が多い。 |
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すぎやま かつみ 慶応義塾大学法学部卒業。米国州立ウィスコンシン大学修士課程修了。 (財)ディフェンスリサーチセンター研究委員、米国ヴァンダービルト大学客員研究員、州立大学講師を経て現職、他に青山学院大学、自衛隊幹部学校の非常勤講師。 |
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| その6 | あなたもわたしも、また骨も、自然の薬である〜田中 重雄〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 「あなたもわたしも天然物であり薬である。また薬屋さんである。」は、薬学部で教鞭をとっていた時代のセリフである。案外自分自身が薬であることを知らない人が多い。 |
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たなか しげを 京都に生まれ、京都大学薬学部卒業後、同薬学研究科助教授を経て、 現職(東京農業大学バイオサイエンス学科教授)につく。植物の感覚と生き方を学びながら、バイオサイエンスを楽しんでいる。 植物の環境認識システム(水分,栄養分,接触,温度,pH等のスーパーセンサー)や適応能力の分子機構を解明し,その潜在能力を最大限に活用して,人間の世話を必要としない「農業をする作物」の作出を目指す。
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