第12回 バカンスだから工事

赤 単 
 
 
 

 私の職場では朝10時頃になると、チームのみんなが集まってコーヒータイムとなります。オフィスは個人別にひと部屋、あるいはひと区画を与えられるため、このような機会にでも顔を合わせるようにしないと、同僚の姿を全く見かけないまま、一日が終わってしまうなんてこともあるほどです。

 通常は、仕事の進み具合や、週末の遊びの予定などを話すだけですが、6月中はワールドカップの話題で持ち切りでしたし、その後はやはり、夏休みをどう過ごすかが、重要な会話ネタとなってきます。私も「日本からお客さんが来て、スイス国内を案内するから、1週間くらい休むかな。」というと、怪訝な顔をされます。「ふーん、それだけでいいの?」と。
 
  よく聞く話ですが、こちらの人たちの夏期休暇はたいてい2週間以上、悪くても1週間休みを2回とるといったところでしょうか。他の時期の休みを節約して、この時期にまとめて4週間の休暇を取った同僚もいました。

 とはいえ、休み中に何かしなくてはいけないというような脅迫観念みたいなものはなく、夏に仕事を休むこと自体が、至極当たり前のこととして認識されているようです。また、会社員だけでなく、バーゼル市内のレストランなども夏季休業となりますから、働かない、あるいは休もうとするその意欲には並々ならぬものがあります。


 一方、みんなが休んでいるこの時期に、がんばっているのが道路工事屋さんでして、高速道路の補修がいたるところで行われ、突然の通行止めに遭遇することも少なくありません。

 

 


  もっとすごいのは、バーゼル市の中心部で大規模に行われている、低騒音化のための市電(トラム)線路の張替え工事です。7月中旬から1ヶ月間、線路も道路もほじくり返されるため、トラム、バス、一般車はデパートや専門店のあるメインストリートに入ることができません。

 徒歩、自転車だけでしかアクセスできないとなると、客足が途絶え、街の経済には深刻な影響があると思いますが、トータルで考えてみると、通勤、通学する人達が少なくなる夏休みに工事する方が、影響の度合いが少なくなるのかもしれません。そもそもバカンスでバーゼルに来る人なんていないんですから。

(次回をお楽しみに ・・・)
 
マスコット骨犬君