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| 第10回 散髪問題 |
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| 赤 単 |
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先日、新入社員たちが紹介される社内報を見たところ、耳が隠れるような長髪、直立した前髪など、男性社員も髪型に趣向を凝らしておるのだなと感心する半面、バーゼルでは、こんな髪型、どうやって頼めばいいのだろうと考えてしまいました。というのも、こちらでは満足のいく散髪をしてもらうことが難しいのです。別に特殊な髪型などお願いしていません。襟足刈り上げ、前髪は眉毛にかかる程度、もみ上げはぼかして残すという極めてシンプルな注文です。しかし、簡単な英語でさえわかってくれる店員さんがいないため、注文が通じたように見えても、違った髪型にされてしまうということがままあります。 ある床屋さんでは「マシーネ?」と聞かれたので、襟足を指差して「ya」といったところ、電気バリカンで刈り上げたまではいいのですが、そのバリカンは後頭部で止まろうとはぜず、頭頂部に達してしまいました。翌日、「おまえはGI(アメリカ兵)のようだ。」と職場でからかわれたのはいうまでもありません。また、別の床屋さんでは「この社員証の写真と同じ髪型にしてほしい。」と、スイス人の同僚に書いてもらったメモまで見せているのにもかかわらず、前髪を眉の上で真横にバッサリやられました。おかっぱ頭の中年サラリーマンのでき上がりです。 髪型だけではありません。切った後の毛に対して、びっくりするほど無頓着です。まず、首の周りに薄紙やタオルを巻かず、ナイロン生地のカバーをかけるので、切られた毛は、シャツの襟首から背中に入ってきます。さらに、切った後の洗髪もありません。ただドライヤーで毛を吹き飛ばすだけです。おまけに、顔や服に毛がついていても、ブラシで落としてくれることはありません。一度ブラシをお願いしたら、ローラー式粘着テープで身体全体をコロコロしてくれました。「ヨーロッパ人は猫っ毛だから、服の中に毛が入ってもチクチクせず、さらに金髪あるいは茶髪なので、服についても目立たないから、毛だらけのまま帰宅するのも気にしないのではないか。」というのが今のところの見解です。理由を考えている前に、さっさと文句をいった方が精神衛生上は好ましいのですが。
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(次回をお楽しみに
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